活動して感じた空き家問題~家族で今のうちに話すべきこと
モノ、情報に溢れ、多様な人が行き交う東京に魅了され、12年間の時を過ごし、
ひとつの縁があって、地元太宰府にUターン。
帰ってきて3年目で、やっと感じる馴染みのある故郷での季節の変化の微細、風のやわらかさ、匂い、雲、飛行機。
日々の生活や暮らしには、何も興味・関心がなかった僕が、仕事で空き家問題に取り組むうちに、自分の中で変化が生まれてきた。
空き家問題は、じぶんごと
空き家問題って、そもそも「空き家」になってからじゃ遅すぎる…。
(草ボーボーでぼろぼろのお家は、淋しく放置されてるけど、それにまつわる人間ドラマも同じく荒れ果てていて、ボーボー)
なぜかって、自分の家がいつか空き家になるって思わないでしょ。(年代問わず30代、40代でも肝に銘じたほうがよい)
そりゃそーでしょね。頭のどこかで「子供たちがいつか帰ってきて大事にしてくれるから大丈夫!」な~んて、昔々の話。
誰もがみんな
「住むなら断然新築がいいよね!それにどうせ建てるなら、実家から遠いところに家を建てよう」
ってことで、実家から遠く離れたどこかでまた家族が形成されたら、いつか実家に戻って来る子どもって誰なんだ?!ってお話。
空き家問題に取り組むのに早すぎることなんてない
子どもたち兄弟姉妹がずっと前から親の実家の今後について話し合っていて、どうするか決まってたらいいけど、そんな家庭なんてほとんどない。
実家の結末考えるってことは親の死や終活について考えることだから誰しも目を背け、その時が来るまで「親は元気、元気!」なんて勝手に思うわけで・・・。
そんなわけだから親が亡くなった後で子供たちは揉め始める。
実家を売って分けましょうという人、実家は先祖代々受け継いできているから守るんだとかいう人(大概、こういう人は口だけ出して、日常の見守りも介護が必要な場合でも、他の兄弟に押しつけてしまいがち)
それぞれの想いが交錯した結果、話し合いは、ちっとも前に進まず「あ・き・家」へとまっしぐらに突き進んでいく。
血縁の兄弟姉妹間だけなら未だしも、そこに義理の兄弟姉妹までが話に首を突っ込んでくると、もう…もう…「あ~き~家~っ!」って、なっちゃう。
そもそも親は、子どもたちには幸せに暮らして欲しいと思っているから、そんな言い争いなんて望んでないけど、自分たちがいなくなった後の実家をどうして欲しいのか、ちゃんと伝えていないのは少なからずよくない。
だから、ここで声を大にして言いたい。
「空き家問題に取り組むのに早すぎることなんてないってこと。」
先延ばしにしておいていいことなんて一つもないから、親がまだ元気なうちにどんな想いを持っているのか、これまでの生い立ちや家系図や、自分たちが知っておきたい色々なことについて、いっぱい心ゆくまで語り合うことが、空き家問題解決の第一歩だと思う。
もし、あのまま東京にいたら、ろくに親と話すこともしないで、大事だと勝手に思っている実家を売るのか残すのかって考えていたんだろうな、あ~怖っ。
誰だって家族間で仲が悪くなりたいとも思わないし、揉めたくもない。
自分の事として考えてみると、今やっておいたほうが良いことがたくさんあるなと思い、親と話し合って今の時点でもういらないものを思いきって処分して
家を片付けたり、両親の生まれたところの話を正月集まった時に聞いたりして、
家族での有意義な時間を楽しんでます。